こんにちは!!英国在中10年目のラッドです。現在、イギリスの中等学校で日本語教師をしています。以前は、日本で英語の教師をしていました。
今回も外国語教育に関心のある皆様に役立つ情報をお届けしたいと思いますので、お付き合い願います!
イギリスの外国語教育
皆様がご存知の通り、日本では小学校5年生から英語教育が導入され、外国語教育の早期化が開始となりました。外国語教育の早期導入に伴い、早期化の様々なアドバンテージが巷でうわさされています。その一つは、グローバルに活躍できる企業戦士の育成です。外国語の需要が今後増えるに従い、流暢な外国語を話し、グローバルな基準で行動できる者がアドバンテージを得る時代となると予想されます。
さて、イギリスといえば、英語です。「イギリス人は、英語が話せるから苦労して外国語を勉強する必要がないよね、うらやましい!」と思っている方も多いと思います。
ところが、実は、イギリスでも2014年から小学校で外国語教育が必修となり、今まで軽視されてきた外国語指導が中等学校や大学においても強化され始めています。これは言うまでもなく、グローバル化への対応であり、国の経済戦略の一つでもあります。
どこもかしこもグローバル化!こんな時代に、日本だけに目を向けていたのでは、取り残されてしまうかもしれません。
そこで、今回は、エリートの育成で有名なイギリスを見てみましょう。最初に、英国企業が社員に求めるスキル、そして、小中等学校の外国語教育のカリキュラムについて紹介致します。
イギリスの企業が求めるスキル
2015年8月から9月にかけてNACE (National association of college and employer) は、「企業が求めるスキル」についての調査を実施しました。
その結果、80パーセント以上の企業がリーダーシップと回答しています。2位として上げられたのは、チームワーク(78.9%)、3位が筆記によるコミュニケーション・スキル(70.2%)と問題解決能力(70.2%)、4位が口頭によるコミュニケーション・スキル(68.9%)でした。さらに、学校や大学の課外過程等における活動や重視する属性としては、外国語が流暢であること、留学経験を高く評価すると答えています。
この調査結果は、昨年度、NACEが実施したアンケートの結果とほぼ同じ結果となっています。2015年分を前年度の結果と比較すると、口頭によるコミュニケーション・スキルを求める企業が若干増え、前年度8位に上げられた分析能力を重視する企業が若干減少したと報告されています。
次に、企業が重視するコミュニケーション・スキル、分析能力とは、どのようなスキルなのでしょうか。以下にイギリス企業が共有している一般的な定義を示します。
筆記によるコミュニケーション能力とは、
・自分の意見を正確な言葉で明確に言う。
・論理的な議論を構成する。
・レポートを書く。
・経験とプロジェクトを適切に書く。
口頭によるコミュニケーション・スキルとは、
・セミナー等で議論や討論を行う。
・自分の意見を明確に自信を持って伝える。
・迅速に考える。
分析能力とは、
・複雑な事例や資料を解釈し、討論や議論する。
・理論的に不適切なものや事項に気づく。
・実験からデータを分析する。
さて、このようなスキルは、学校でどのように教えられているでしょうか。外国語教育のカリキュラムを見てみましょう。